
「ラグがヤバくてFPS系のゲームができない…。」という人向けに、FPSで必要になる回線環境をまとめました。
FPSは数あるゲームジャンルの中でもトップレベルに回線が重要になってくるので、しっかりと用意するに越したことはありません。
このページでは、FPSにどれくらいの回線環境が必要なのか、自分の環境をどう調べるのか、また悪い時にどう改善するのかを解説していきます。
FPSゲームをプレイする人は参考にしてみてください。
目次
FPSガチ勢がチェックしたい回線の4項目

FPSゲームで重要になるのは以下の4つの数値です。
- 通信速度:1秒間に転送できるデータ容量(Mbps/Gbpsなど)
- Ping値(レイテンシ):自分と相手サーバーとの応答速度(ms)
- Jitter値:連続するPing値のブレ幅を表した数値(ms)
- パケットロス:転送中のデータで喪失してしまった割合(%)
これら4つの数値がどれも大切になってきます。
どれも重要ですが、強いて優先順位を付けるとすると、「Ping値 ⇒ パケットロス ⇒ Jitter値 ⇒ 通信速度」といった感じです。
とは言え、中には「この単語の意味が分からない…。」という人もいると思います。
なので次の項目からは、それぞれの単語がどういった意味を持つのかという点から、測定、目安の数値までまとめて紹介していきます。
それではみていきましょう。
通信速度・Ping値・Jitter値・パケットロスの測定方法と目安の数値

まずはじめに、現在の自分の環境を確認しておきましょう。自分が使っている端末に応じて2つの方法で環境をチェックしてみてください。
- パソコン:「Speedtest by Ookla」と「Cloudflare測定サイト」
- ゲーム機:「ゲーム内のネット診断速度」と「Cloudflare測定サイト」
そしてこれらに合わせて、プレイしているゲームでPing値などの表示ができる場合はその数値もチェックします。
最近のゲームであればほとんど表示させることができると思うので、しっかりとチェックしておきましょう。
それでは順番にみていきます。
通信速度:1秒間に転送できるデータ容量(bps)
まず1つ目は通信速度です。通信速度は知っている人の方が圧倒的に多いと思いますので、サクッとだけ触れていきます。
通信速度は、1秒間に転送できるデータの容量を指す数値です。「速度」という名前だけに勘違いされがちですが、実際は転送できる「容量」を意味するので注意しましょう。
単位は「bps(ビットパーセカンド)」で、一般的に使われるのは「Kbps(=1,000bps)」「Mbps(=1,000Kbps)」「Gbps(=1,000Mbps)」の3つになると思います。

そしてもちろん、通信速度は数値が大きければ大きいほど優秀です。
ちなみに、もう1つ勘違いされやすいポイントですが、ゲームの容量などを表す「MB(メガバイト)」は「bps」と違う単位になります。
換算として「1MB=8Mb」になるので、参考程度に知っておくと良いかもしれません。
通信速度の測定方法と目安の数値
通信速度は、速度測定で利用した2つの結果を参考にします。ゲーム内の表示は気にしなくてもOkです。
2つで測定した結果のうち、良い方を採用して以下の表と比べてみて下さい。
5段階に分けて紹介していますが、基本的には「30Mbps~」が1つの目安です。
実際は10Mbps程出ていれば十分ゲームはできるのですが、上振れ下振れを考えたときに10Mbpsだと少し危ういので30Mbpsが目安という感じになっています。
表にも記載していますが、理想は100Mbps以上です。ちゃんとした光回線を契約していれば簡単に狙える速度なので、回線強者になりたい人はここを目指しましょう。
また、「ゲームのダウンロードやアップデートを快適にしたい」と言う人も100Mbps以上を目安に考えておくと良いと思います。
Ping値(レイテンシ):自分と相手サーバーとの応答速度(ms)
続いて2つ目は、Ping値です。ApexLegendsなど一部のゲームでは「レイテンシ」と表示されていることもありますが、同じものと思ってもらってOKです。
先ほど紹介した通信速度が「1秒間の容量」であったのに対して、Ping値は「1回のデータ転送にかかる時間」を指す数値になります。
分かりやすくゲームで言うと、
- 弾を相手に撃つ
- 撃ったという情報がサーバーに届けられる
- サーバー側でダメージや当たり判定などを処理する
- 処理の結果が自分に届けられる
- 自分の画面に処理の結果が反映される(倒した、もしくは当たってなかったなど)
この一連のデータ転送にかかる時間をPing値で表しています。(他の要因もありますが、イメージとしては上のように考えてもらえるとOKです。)

単位は秒よりもさらに小さい単位「ms(ミリ秒=0.001秒)」で表され、数値が小さければ小さいほどラグが少ない=優秀という感じになります。
Ping値はラグに直結する数値になってくるので、FPSでの重要度はかなり高めです。
Ping値の測定方法と目安の数値
Ping値に関しては、ゲーム内で表示される「Ping」もしくは「Latency(レイテンシ)」の数値を見てもらえるとOKです。
紹介した測定サイトの結果を見ても良いのですが、ゲーム内で表示されるPing値と測定サイトで表示されるPing値は、異なることがほとんどなので、基本的にはゲームの方が良いと思います。
目安の数値は以下の通りです。
Ping値はプレイするゲームや個人の感じ方によってそこそこ違いが出るので、一概にこれが良いという数値はありません。
ただし、50msを超えると明らかに分かるレベルのラグが頻発するようになるので、最低限のラインとして50ms以内はキープした方が良いです。
理想の数値に関しては、都内もしくは東京近郊に住んでいる人は15ms以下、それ以外の地方に住んでいる人は30ms前後を目指すと良いと思います。
住んでいるエリアに合わせてPing値をチェックしてみてください。
Jitter値:連続するPing値のブレ幅を表した数値(ms)
続いてはJitter値です。恐らく今回紹介する中で一番知名度は低いと思いますが、FPSをやるならかなり重要な数値になってきます。
Jitter値の意味は、「連続するPing値のブレ幅を表した数値(基本的に平均値)」です。

簡単に言うと、Ping値がどれくらい安定しているかを教えてくれる数値で、数値が小さければ小さいほどブレ幅が少なく優秀といった感じになります。
回線の安定性はFPSでかなり重要になるので、しっかりとチェックしておきましょう。
Jitter値の測定方法と目安の数値
Jitterが表示されるゲームはほぼないと思いますので、測定サイトを利用してチェックします。
利用するのは「Cloudflare測定サイト」です。目安の数値は以下の通りになります。
Jitter値の基準に関しては、悪い方が少し曖昧になっています。
と言うのも、しっかりとした回線環境を作っていればJitter値が5msを超えることがほとんどないからです。(筆者の環境では1msを切ることがほとんどになっています。)
なので、表には色々書いてますが、基本的には5msを目指す感じが良いと思います。
何度か測定してみてJitter値が10ms以上になる人は、Ping値の乱れが激しめということなので、ゲーム内でラグが起きてしまう可能性がかなり高いです。
理想は1ms以下、できれば5ms以下、最低でも10ms未満で考えておきましょう。
パケットロス:転送中のデータで喪失してしまった割合(%)
最後4つ目が、パケットロスです。パケットロスは少しでもあるとゲームに支障が出てくるので、絶対にチェックしたい項目の1つになります。
知っている人も多いかもしれませんが、パケットロスは「転送中にデータが損失してしまう」ことで、基本的には「%」を使ってどれくらい失われたかを表示します。

一昔前は測定するのが難しかったのですが、ここ最近のゲームはゲーム内で表示されることがかなり増えてるので簡単にチェックできます。
パケットロスの測定方法と目安の数値
パケットロスはほとんどのゲームで表示されると思うので、測定サイトは使わなくてもOKです。
目安の数値は以下の通りになります。
パケットロスに関しては、基本的に0%を目指すのが普通です。
仮に1~2%であればまだ許容できる可能性はありますが、3%を越えてくると敵がワープしたり、弾抜けが起きたりなど、明らかにおかしい現象が出てくるようになると思います。
そして、10%を超えてくると終わりです。ワープしまくり、弾抜けしまくりでゲームがまともにできなくなります。
とは言え、パケットロスは自分に原因がないこともあります。
自分外の原因で起きてしまうのは仕方がありませんが、基本的に自分の環境を良くするだけで0%に近づけることは可能なので、しっかりと0%を目指すと良いでしょう。
FPSで回線環境が悪い時の改善法5選

ここまで4つの数値を紹介してきました。
全部の数値が良かったという人もいる一方で、「全然だめだった…。」「通信速度以外はイマイチだった…。」など、悪かった人もいると思います。
そこで最後に現在回線が悪かった人向けに、改善方法を5つ紹介します。
冒頭でも記載した通り、FPSでは回線がかなり重要になってくるので、理想の環境を作れるように改善してみてください。
改善法1:ネット回線をしっかりしたモノに切り替える
1つ目の改善方法はネット回線の切り替えです。
「それはそうでしょ!」となる人の方が多いとは思いますが、実際契約しているネット回線が原因で困っている人はかなり多くいます。
特に以下の回線を利用している人は、優先的に回線の切り替えをした方が良いです。
- モバイルWi-Fi系:WiMAX、○○Wi-Fiシリーズ(どんなときもWi-Fiなど)など
- ホームルーター系:WiMAXホームシリーズ、Softbank Airなど
- マンション回線:レオネット、D.U-netなど壁にLANケーブルを挿す回線
- ADSL回線:フレッツADSL
- CATV回線:Jcom、イッツコム、ベイコムなど
これらの回線を利用していてラグに悩んでいる人は、しっかりとした光回線への切り替えを検討しましょう。それだけで良くなる可能性も高いです。
個人的にFPSをするのにオススメの回線は以下の3つになります。
![]() |
・最大2Gbpsの超高速回線 ・都内のeSports施設でも採用 ・現状一番オススメのゲーム回線 |
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・最大1Gbpsの高速回線 ・独自配線で高速&安定 ・NURO光に次いでオススメ |
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・最大1Gbpsの高速回線 ・v6プラス通信で夜でも安定 ・NURO光に次いでオススメ |
特にオススメなのは、「NURO光」「auひかり
」「(表にはない)地域の電力回線」です。
これらの回線は、それぞれ独自の光ファイバー網を利用しているため、利用者が多いNTTの光ファイバーを通過する必要がなく、混雑の影響をほとんど受けません。
「どの回線が良いか分からない…。」という人は、この中から選んでみると良いでしょう。
そして、「これらの回線が契約できない人」や「ドコモのセット割が使いたい人」は、「ソフトバンク光」「ドコ光」をオススメします。
これらの回線は大元がNTTで共通しているので、自分の携帯・スマホなどに合わせて選んでみると良いでしょう。
なお、各回線に付いては以下記事で詳しく解説していますので、回線の切り替えを検討している人は合わせてチェックしてみてください。
改善法2:IPv6(IPoE+IPv4 over IPv6)接続に切り替える【NTT回線のみ】
2つ目は、ネット接続時の接続方式を変える方法になります。いわゆるIPv6接続(正確には「IPoE+IPv4 over IPv6方式」と言います)のことです。
「接続方式を変える」と言われると少し難しい感じがするかもしれませんが、やることは「プロバイダへIPv6を申し込む」のと「ルーターの用意をする」の2つだけになります。
プロバイダへの申し込みはそのままで、注意するとすれば用意するルーターの種類です。
手元にあるルーターがIPv6接続に対応していなければ、新しく「IPoE IPv4 over IPv6方式」に対応したルーターを購入する必要があります。

プロバイダに連絡して確認しよう。
対応したルーターを購入しないとIPv6で接続ができなくなってしまうので、「IPoE+IPv4 over IPv6方式」への対応をしっかりと確認するようにしましょう。
ちなみにプロバイダによっては、対応しているルーターを無料で貸し出ししている場合もあります。
なので、「ルーターについて全然分からない…。」という人は、プロバイダへ連絡する際に合わせてルーターのレンタルもお願いすることをオススメします。
改善法3:有線接続で接続する
3つ目は接続方法についてです。
どのゲーム機にも共通して言えますが、有線接続と無線接続(Wi-Fi接続)では回線の安定性にかなりの違いがあります。
「無線でも有線でも速度変わらないから無線で良いや。」と考える人もいますが、安定性が全然違うのでしっかりと有線で接続するようにしましょう。
そして、有線で接続する時はケーブルのカテゴリをチェックします。

本体に記載されている。
カテゴリはケーブルのスペックを表した数値で、現在主流なのは以下の5種類です。
もし現在使っているLANケーブルのカテゴリが5以下の人は、新しいケーブルに買い替えましょう。
スペック的に見るとカテゴリ5e以上のケーブルであれば十分なのですが、個人的にはカテゴリ6Aのケーブルをオススメします。
Amazonでも店舗でも1,000円あれば購入できると思いますので、「家の構造的に有線は不可能」という人以外は、有線にしましょう。
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iBUFFALO ツメの折れないLANケーブル UTP Cat6a ストレート ノーマルタイプ 5m ブラック BSLS6ANU50BK
過去90日間の平均価格¥571 |
改善法4:ルーターを買い換える
4つ目はルーターの買い替えです、ルーターに関しては、具体的に以下3点をチェックして、1つでもダメなところがある場合は買い替えをオススメします。
- 利用期間:購入後5年以上経過していないか
- スペック1:有線のLANポートが最大1Gbpsに対応しているか
- スペック2:無線の規格がIEEE802.11ac(Wi-Fi5)に対応しているか
特に重要になってくるのが、利用期間についてです。
明確な寿命があるわけではありませんが、おおよそ5年前後使っていると、処理能力が低下したりポートの故障が起きたりして、交換の目安の時期になります。
手元にあるルーターがそれくらい年季の入ったものであれば買い換えるようにしましょう。

おおよそ5年前後。
残りのスペックについては、ルーターの説明書やルーターの公式サイトなどで確認してみてください。
なお、仮に買い替えるとしてもそこまで高価なルーターを購入する必要はありません。
予算を気にしないのであれば高いに越したことはありませんが、5,000円前後でも十分なスペックのルーターを購入することができますので、まずはそっちを見てみると良いでしょう。
詳しくは以下記事で解説していますので、気になる人はチェックしてみてください。
改善法5:その他の細かい設定について
5つ目は機器に関するものではなく、細かな設定についてです。
パソコンであれば色々いじることも可能ですが、詳しくないと後々困ってしまう可能性もあるので、ここでは有名なモノ2つだけを紹介します。
まず1つ目はDNSの設定です。
設定方法はプレイしている端末によって異なりますので、「パソコン DNS設定」や「PS4 DNS設定方法」などで各自で確認してもらえると助かります。
オススメのDNSは、Cloudflareが公開している「1.1.1.1/1.0.0.1」とGoogleが公開している「8.8.8.8/8.8.4.4」の2つです。
どちらも知名度が高く、簡単に試せるDNSになっているので、まずは設定してみてください。
続いて2つ目がMTU値の設定です。
MTU値は、使っている回線によって数値が決まっていますので、まずは「MTU値の確認サイト」で自分の回線に合ったMTU値を調べます。(ページを開くと真ん中上の方にMTU=〇〇〇〇で出てきます。)

数値が分かったら、それぞれ端末に応じて設定していきます。
下の記事はApexに関しての記事ですが、DNSとMTU値の設定についてまとめていますので、まだ設定していない人はこちらをチェックしてみてください。
FPSをやる上ではネット回線が最も重要

ここまで5つの方法を紹介しましたが、一番大事になってくるのはネット回線です。
ゲーミングハウスやeSports施設、有名なプロゲーマー、ストリーマーの人たちは、やはりしっかりとした回線を使っていることが多いと思います。
回線負けをしてしまうと、腕も中々上がらないですし、何よりやる気もそがれてしまいガチです。
なので、FPSガチ勢を目指したい人はまずはしっかりとした回線の導入を考えましょう。
しっかりとした回線を導入した上でさらに必要であれば、ゲーミングルーターを購入したり、その他の機器にこだわってみると良いと思います。
オススメの回線については、「改善法1:ネット回線をしっかりしたモノに切り替える」で紹介したモノになるので、自分に合った回線を見つけてみて下さい。
まとめ:FPSで重要なネット回線の数値について
このページでは、FPSで重要になるネット回線の数値についてまとめてみました。
FPS系のゲームでは、通信速度やPing値といった数値はさることながら、Jitter値やパケットロス値もかなり重要になってきます。
最近の測定サイトではこういった数値を全て測定できるようになっているので、しっかりと全ての数値を基準値まで持っていけるようにしましょう。
そして、そのうえで一番重要になってくるのがネット回線です。
イマイチなネット回線を利用している人はしっかりとしたネット回線に切り替えて、FPSに向いた環境作りをすることをオススメします。
この記事が参考になれば幸いです。